編集長のリレキショ 中学の朝学習

中学校に入学すると朝学習というものがありました。これは何かというと、1時間目が始まるまでの少しの時間、英単語やアルファベットをノートに書き、その文字数を先生に申告するというものです。

特に成績にも影響しなくて、テーマ文字の縛りもなかったので比較的書きやすい「pen」とか「book」をひたすら書き続けるわけです。

世の中にこんなにつまらないことがあるのかと驚きつつ、この苦痛な時間を過ごしていました。

そして、やんちゃな同級生達は「a」とか一文字だけ書いてあとはサボるというごく自然な流れになっていきました。

ただいくらサボろうがこの苦痛な時間は続いていくので、根本的な解決にはなりません。

そこで、逆転の発想をしてみました。

「この朝学習をおもろくできひんかな?」

まずやり始めたのが、逆にめちゃくちゃ書くという作業でした。

真面目な生徒でもせいぜい1日100文字程度です。そこにいきなり300文字という数字をたたき出したのです。

それを1週間続けました。

クラスのみんなは「?」。担任の先生は「最近よく頑張ってるな」ぐらいのスタートでした。

そしてその次の週は更に増やして500文字という数字を1週間続けました。

するとクラス中から「どうしたん?」と聞かれ始め、「チャンピオン目指してんねん」などと適当に返答していました。

そして数日後、1日700文字というクラスメイトが現れました。これはそう、私への宣戦布告です!

この1人ぼっちの闘いに参戦するぞという意思表示!

そこから続々と参戦者が増え、朝学習は男子生徒達の戦場と化したのです。

すると先生達や他のクラスにもこの噂が広がり、私は次のステップを踏むことになります。

当時、新聞部に所属しており、部長に相談してこの朝学習の月間ランキングを新聞のように廊下に貼り出す連載許可をもらったのです。

こうなるともう学年を巻き込んだ一大イベントへと変貌を遂げます。

このゲームに参戦しない生徒も、この月1の新聞を楽しみにしだしたり、少しでも文字を稼ぐために登校時間を早めて机に向かう生徒が続出。もちろん参戦していない生徒もたくさんいましたが、この流れに引っ張られて自然と文字数が増える。

しかも先生たちまで応援してくれる内容なので、鬼に金棒どころか鬼にマシンガンです。

言い出しっぺの私が負けるわけにはいかないので、3ヶ月連続でチャンピオンを取りましたが、その牙城が崩れる時が来ました。

チャンピオン大敗!

ちょっとしたニュースになりました。

なぜ私と新チャンピオンで文字数の差がついたのか?恥を忍んで聞きにいきました。

英語なら何でも良いこの朝学習、筆記体も可とされています。

新チャンピオンのノートを見せてもらい、衝撃を受けました。

「L」の筆記体をひたすら書いていたのです!

たしかにこれは書きやすい。完敗でした。

その後、「L」ブームが始まり、更にデッドヒート!

月毎に入れ替わるランキングに参戦者達も消耗していき、この奇妙なブームは徐々に収束していくことになります。

 

こんな昔の事を思い出したのは、中学を卒業して20年ぶりに会った先生に「お前と言えば朝学習やな笑」と言われ、記憶が一気に蘇ったからです。

三つ子の魂百までとはよく言ったものです。

おわり。

 

 

 

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